CIVIL WAR DIARIES - BILL CARROTHERS
CIVIL WAR DIARIES - BILL CARROTHERS
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CIVIL WAR DIARIES
ビル・キャロザーズ (ピアノ・ソロ)
Release Date : 07/28/2006
Product Number : ILL313001
Recording : 2004
Format : CD
FEATURED ARTISTS
Bill Carrothers : piano
TRACKLIST
ビル・キャロザーズ (ピアノ・ソロ)
Release Date : 07/28/2006
Product Number : ILL313001
Recording : 2004
Format : CD
時空(とき)を超える哲人のピアノ はるかな歴史の彼方から伝えられる想い。キャロザーズのピアノが紡ぎだすセピア色の幻想。
ソロ・ピアノというスタイルほどピアニストの全てをさらけ出してしまうものはない。一度自らの指先が音を奏で始めれば、それは何がしかの終点に向かって歩み続けるほかはなく、聴衆がいようがいまいがごまかしのきかない己との対話を表出し続けるようなものだ。サワノはすでに何種類かのピアノ・ソロ作品をリリースしているが、今回のものはある意味でその極めつけというべきだろう。数々の傑作・問題作を発表し、その活動に一応の終止符を打ったフランスのスケッチ・レーベルの、これは忘れ形見とでも言うべき録音なのだ。
ビル・キャロザーズには「Ghost Ships」というトリオ作があって、サワノのリスナーもご存知だろうが、このソロは彼のピアニストとしての資質を余すところなく伝えてくれる内容となっている。キャロザーズがここで題材としているのは南北戦争期の歌謡で、演奏中に顔を出すそのメロディには皆さんなじみがあるはずだ。ただ、それはキャロザーズの内面で長い間醸成されてきた世界への鍵としてそこにある。彼は非常に意識的にこれらの曲の含む歴史性に拘っているが、この音楽を聴いていると内省的な気分になるとともに時空を飛び越えて故人たちが生きた場面を不思議にも垣間見るような感覚に捉われる。そう、まるで、映画「コールド・マウンテン」の時代が現前するような感覚に。
あえて、万人向きではない、と言うけれども、無心に浸るなら、演奏者の誠実がしみじみと胸に広がるはずだ。さながら、ピアノの哲人(鉄人、ではない)の心根に触れる想いがする、稀有の作品と言える。
FEATURED ARTISTS
Bill Carrothers : piano
TRACKLIST