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Atelier Sawano

WHITE NIGHTS - VLADIMIR SHAFRANOV TRIO

WHITE NIGHTS - VLADIMIR SHAFRANOV TRIO

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WHITE NIGHTS
ウラジミール・シャフラノフ・トリオ


Release Date : 12/24/1999
Product Number : AS001
Recording : 1990
Format : CD

評論家寺島氏が90年代名盤の一枚として大きくとりあげられた、まさにピアノファン必聴のアルバム。入荷即完売の伝説もあるシャフラノフの代表作。北欧らしい透明感と弾むようなスイング感が印象的。

伝説というものの成り立ちは様々だが、共通していえるのは、その元となったものの正体がわからない、ということだ。ジャズ・レコードの世界にはそういう意味の伝説が結構あって、「幻の名盤」と呼ばれていたりする。メディアの主流がCDになって20年近く、その幻がCDの世界にも現れた。今回澤野工房が復刻したシャフラノフの「ホワイト・ナイツ」はさしずめその代表格だろう。そもそもシャフラノフという人にしてからが寡作で幻みたいなものだ。実際リーダー作としては先立って澤野工房が復刻している「ライブ・アット・グルーヴィー」があるくらい。そっちのほうも十分「幻」だったわけだ。幻であるというのは同時にレアであるということだが、そうなるには理由がある。早い話、つまらないか、その価値が認められなかったかだ。

シャフラノフの場合はどうだったのだろう。聴いてみると分かるけど、正直レアであったことが信じられない。一流のリズムに支えられた演奏は軽く水準をクリアするものだし、なによりアルバム全体の人なつっこい表情が愛らしい。北欧人のイメージを裏切らない透明感も際立っているが、それよりもむしろ弾むようなスイング感が印象的で、個人的にはウイントン・ケリーを想起する。敢えて言うならエヴァンス・ア・ラ・ケリーというところ。オリジナル曲も美しいし、スタンダードとのバランスもいい。いいことずくめなのである。それがまたどうして幻に……?

思うに、このアルバムがギラギラした自己主張と無縁な、ひっそりとした、けれども見つめればじっと見つめ返してくるような、そんな少女のようであるからかもしれない。派手ではないから目立たないけれど、気が付くとこんなに魅力的な人が、というような。恋人にするなら、そんな人がいいよ。ね、皆さん?

Text by 北見 柊

FEATURED ARTISTS
Vladimir Shafranov : piano
George Mraz : bass
Al Foster : drums

TRACKLIST
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