LE TEMPS QU'IL FAUT - JEAN-PHILIPPE VIRET TRIO

LE TEMPS QU'IL FAUT - JEAN-PHILIPPE VIRET TRIO

Atelier Sawano

  • ¥2,571




LE TEMPS QU’IL FAUT

ジャン=フィリップ・ヴィレ・トリオ


Release Date : 08/28/2008
Product Number : AS080
Recording : 2008
Format : CD

天賦の才の、限り無き可能性。頭上またたく星々の光は、夢と現を行き交う旋律に生まれ変わる。ベースの繊細なアルコで静かに幕を開け、印象深いフレーズが一つ一つ吹き込まれ重なり合ううち、いつしか壮大な物語となってゆく……

冒頭、狼煙のようなアルコで幕を開けるジャン=フィリップ・ヴィレ自身による入魂のオープニング・チューン「Peine perdue」。ベースから弾きだされるミニマルなうねりは波動となって心に響き、盟友エドゥアール・フェルレの憂いを帯びた旋律美のピアノと創造する音楽は、繊細かつ大胆なこのアルバム・コンセプトを如実に示している。つづく2曲目「Les Arbres sans fin」はフェルレの作品だが、まるで星のまたたきのような導入部の6連符ピアノ音がいざなう幻想的フェルレ・ワールド。これに絡むヴィレのアルコは、もう夢か現か。目の前からスピーカーの存在が完全に消え去り、別の空間に吸い込まれる錯覚は、一度だけじゃない。なんど聴いても陶酔させてくれる。

6曲目「Dans la Peau d'un autre」もフェルレの作品。最初と最後の、ピアノとベースが美しくも完全にシンクロするさまは、聴く者の瞼をゆっくりとじさせる。おぼろげな風景が見え隠れするような、くすぐったい奇妙な感覚におちいる。ひとつの旋律が同系色のグラディエーションのように増幅して聴こえるところは、周波数成分がそうなのかは解からないが、アルファ波を浴びているようだ。ラストを飾るはヴィレ自身の手からなる「Si peu de choses」。ベースという楽器はいったいどこまで可能性を秘めているのか。奏でられる自由な描写は、至高の安らぎを与えてくれる。このままいつまでも終わらないでくれと願う。

2008年夏、記憶に残る作品と出会えた。

Text by 前泊 正人

FEATURED ARTISTS
Jean-Philippe Viret : bass
Edouard Ferlet : piano
Fabrice Moreau : drums

TRACKLIST

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