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THE VOICES THAT ARE GONE - MATT TURNER, PEG & BILL CARROTHERS

THE VOICES THAT ARE GONE - MATT TURNER, PEG & BILL CARROTHERS

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THE VOICES THAT ARE GONE - THE MUSIC OF STEPHEN FOSTER
マット・ターナー、ペグ&ビル・キャロザーズ


Release Date : 02/20/2009
Product Number : ILL313003
Recording : 2008
Format : CD

アメリカ音楽の父、フォスター作品集が登場!背中合わせの寂寥と慈愛。シンプルな調べが導く、無尽のインスピレーションがここに!南北戦争や奴隷制度に翻弄された不安感の中に力強く光る希望を織り込んでいる。

ビル・キャロザーズの『Armistice 1918』(Sketch)の感動が再び!と声を大にして叫びたい。あの名盤の中枢的な面々、キャロザーズ夫妻とチェロのマット・ターナーによるアルバムが本作である。

アメリカ史と音楽の結びつきについて深く研究しているビル・キャロザーズは『Armistice 1918』において、ミュージカルや映画が出自ではない地味な存在の歌の数々をもとに20世紀初期、第1次世界大戦期の合衆国庶民の率直な感情をあぶり出した。本作は「アメリカ民謡の父」と称される19世紀の作曲家スティーヴン・フォスター(1826-64)がテーマである。

ターナーの着想とのことだが、探究心、冒険心、ジャズ的な即興スピリット、ロマンティシズム、ドキュメンタリータッチの手法という点で『Armistice 1918』に通じていて、チーム作品と言いたいくらいである。フォスターは奴隷制度があった時代に生き、黒人へのシンパシーを歌詞にあらわしたことでも知られる。その代表的な曲が哀愁味の濃い「懐かしいケンタッキーのわが家(My Old Kentucky Home, Good Night)」であり、当CDでは異なるアプローチによりこの曲の複数のヴァージョンが登場する。

今でこそ高い歴史的評価のあるフォスターだが、実は38歳の時、郷里からも妻子からも離れ、名声すら失い、身も心も暮らしもボロボロの、堕落のどん底で死去したといわれている。しかし、死のわずか数日前に書き白鳥の歌になった「夢みる人(Beautiful Dreamer)」は珠玉のメロディのバラードであり、自身の作になる詩句はまるで天使のように慈愛に満ちている。堕落のどん底でもこんな曲ができるものなのだろうか?堕落したとすれば何故?HOMEを奪われた人々の視点はHOMEを失ってみないとわからないとフォスターは考えたのだろうか?いくつもの「?」が音符となって心の琴線を震わせる。

Text by 岡島 豊樹

FEATURED ARTISTS
Matt Turner : cello
Peg Carrothers : vocal
Bill Carrothers : piano, vocal

TRACKLIST
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